航空会社の旅客需要 回復遅れ 感染拡大前の4割に落ち込む

去年1年間の世界の航空会社の旅客の需要は、オミクロン株の急激な広がりもあり回復が遅れ、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大前の2019年と比べておよそ4割の水準に落ち込んだままであることがわかりました。

世界の航空会社でつくるIATA=国際航空運送協会は25日、去年1年間の世界の旅客の需要を分析した結果を発表しました。

それによりますと、国際線と国内線をあわせた旅客の需要を示す指数は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大前の2019年を58.4%下回り、経済活動が再開される中でも大きく落ち込んだままであることがわかりました。

地域別では、
▽日本を含むアジア太平洋がマイナス66.9%、
▽ヨーロッパがマイナス61.3%、
▽北米がマイナス39.0%でした。

特に、国際線の回復は大きく遅れ、なかでもアジア太平洋は、厳しい渡航制限を設けている中国などの影響もあって、マイナス93.2%でした。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は「特にアジアではいくつかの主な市場が事実上、隔離されたままになっている。経済に甚大な被害を与える渡航制限から対応を進化させるべき時が来ているのではないか」としています。