1月の消費者物価3.2%上昇、コメは7割プラスで過去最大

総務省が21日発表した1月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合が109.8となり、前年同月と比べて3.2%上昇した。3カ月連続で伸び率が拡大した。生活実感に近い生鮮も含む総合は4.0%上昇し、2年ぶりに4%台となった。
QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は、生鮮食品を除く総合が3.1%上昇だった。

購入頻度の高い生鮮食品は21.9%上昇と04年11月以来の高い水準だった。生鮮野菜は36.0%上昇した。生育不良で出荷が減ったキャベツは約3倍、白菜は約2倍だった。昨年の猛暑の影響で生産量が減少したみかんは37.0%上昇だった。
生鮮食品を除く食料は5.1%上昇だった。24年夏ごろから価格上昇が目立つコメ類は25年1月に70.9%プラスと、比較可能な1971年1月以来最大の上昇幅となった。国産品の豚肉は6.6%上昇した。
原材料価格や人件費の上昇を受けて外食は3.1%プラスとなった。コメ類の価格高騰を背景に外食のすしは4.5%、おにぎりは9.2%それぞれ上昇した。コーヒー豆は主要原産国のブラジルの天候不良で出荷量が減少し、23.7%プラスだった。
エネルギーではガソリンが3.9%上昇と、前月の0.7%上昇と比べ拡大が目立つ。政府が実施するガソリン価格の高騰を抑える激変緩和措置の補助が縮小したことが背景にある。補助の目安が24年12月に175円から180円程度に、25年1月には185円程度に引き上げられた。
電気代は18.0%上昇、都市ガス代は9.6%プラスだった。エネルギー全体では10.8%プラスだった。
全体を商品などのモノと旅行や外食などのサービスに分けると、サービスは1.4%上昇と24年12月から0.2ポイント縮小した。外国パック旅行が1.9%プラス(24年12月は74.7%プラス)と伸び率が大幅に縮小したことが響いた。
外国パック旅行費は新型コロナウイルスの影響で調査が困難になり、一時調査を中断していた。そのため24年は実質的に20年の同じ月と比較して指数を算出していた。25年1月からはこうした新型コロナによる一時的な措置がなくなり、指数を押し下げた。
一方、宿泊料はインバウンド(訪日外国人)の旅行需要が拡大し、6.8%上昇と前月から伸び率が拡大した。一般サービスの家事関連サービスも3.1%プラスと上昇幅が拡大した。
モノは6.3%プラスと前月から伸びが拡大した。家庭用耐久財が3.9%上昇した。ルームエアコンの需要が拡大し売り上げ増加につながった。
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